こんにちは。皆さんの家はどんな家ですか? カッコいいですか?それともイマイチですか? どっちにしても皆さんは自分の家を誇りに思って、感謝して下さいね。フィリピンには家がない人もたくさんいるんですから…。
私たちの家は、あなたの家のように大きくないし、かっこよくもありません。そして、芝生やプール、ガレージやテラスなんてもちろんありません。私たちの家にあるのは「修理しなければならないところ」です。それもたくさん!
今私たちが住んでいる家は、私の父が建ててくれました。土地は政府がもっている土地なんですが、それでもお金を払わなければいけませんでした。そして、父が死んで、母が私たちを捨てるまで、そこそこ幸せな家族として暮らしていました。
私の家には部屋がひとつしかありません。そのひとつの部屋が、居間であり、寝室でもあります。キッチンはその横にあります。私たちはここに毛布を敷いて寝ています。私たちの家は、木や簡単な材料でできています。
さっきも話したとおり、私たちの家には「修理しなければいけないところ」がたくさんあります。屋根は穴がたくさん空いています。床は竹でてきていますが、それがところどころ壊れています。天井もです。そのため、雨期になると家の中はびしょびしょです。きれいな家具や壊れていない調理器具なんてどこにもありません。そして私たちの家には、電気が来ていません。電気は近所の家から電線を引いてもらっているんです、使用料一ヶ月500ペソ払って!
もちろん水道や蛇口もないので、水は店に買いに行きます。快適な風呂やトイレもありません。もしトイレに行きたくなったら「アリノラ」を使います。アリノラっていうのは、まあ、小さなバケツみたいなものですね(汗)。風呂に入るときは家の前で水浴びします。本当は家を修理したいんですけど・・・私は働けないし、お金もないから我慢しています。もし修理するとなると、ものすごくお金が必要になります。だからいつも神様に祈っています。「いつか誰かが私たちの家を修理してくれますように!」って。でもどんなに家が小さくても設備がなくても、私たちは幸せです。
このスラムではすべてのものを買う必要があります。だからお金がなければ生きていけません。ここに住んでいる人々はいつも「お金がない!」「食べるものがない!」と言っています。だけど今、このスラムが取り壊されるという話があります。政府がここを壊して、別の建物を建てるんだそうです。私たちはここで生まれ育ったし、思い出もたくさんあるので、ここを離れたくありません。でも、仕方がないのかもしれません。もしこのスラムが取り壊されたら・・・たぶん両親の育った田舎に帰らなくてはいけないと思います。というのも、この町で家やアパートを借りると、とても家賃が高いのです。
できれば私も娘に美しくて快適な家を与えてあげたい。でも、快適な居間や寝室、素敵なキッチンがある家に住むことは難しいんです。たとえ私たちの家が取り壊されたとしても、たとえ小さくて汚い家でも、私たち家族が一緒にさえいられれば、それだけで十分幸せです。家がどんな見た目か?そんなことどうでもいいです。家なんてただのモノ。それより家族の絆こそすべてなんですから。
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