皆さんもつらい時ってありますよね? 人生の中で大変な問題が起こったり、乗り越えなければならないことがやってきたり・・・。それは子どもでも若者でも、年寄りでも、ありますよね。

私が結婚する前にも、たくさん大変なつらいことがありました。食べ物がなくて一日に一度も何も食べられなかったり、お金を探してもたったの1ペソ硬貨さえ見つからなかったり、飲み水も買えなかったり(フィリピンでは飲み水は買わなければならないのです)、電気がなかったり・・・でも一番大変だったのは、両親がいなくて、自分たちだけで生活していくことでした。だけどそんなときも神様は決して私たちを見捨てたりしませんでした。

今私はすでに結婚していますが、やっぱり同じようにつらいことってたくさん起こっています。相変わらず食べ物はないし、お金もないし・・・。でもそんなにつらいことだらけでも、夫が一緒だから、その頃よりはだいぶマシですね。私だって、つらいことがあまりに多すぎる時には泣いたりします。お金がなくて、今日食べるものもないとき、知ってる限りの知り合いに「お願い、少しでいいからお金貸して!」って頼みに行くんですが、たいていは「ダメ」って断られます。たとえその人がお金を持っていたとしても、かしてくれないんです。私が洗濯物を洗ってあげたり、学校の課題を教えてあげたり、なにか仕事を手伝ってあげたとしても、ダメなものはダメ。そんなときは本気の涙が出ます。

夫と私は、今でも一日一度もごはんが食べられないことがあります。なぜかって、お米は私たち家族全員が食べるほどはないし、そうするとまず、私たちの幼い娘と、そして幼い弟に食べさせることを優先しなければなりません。おまけに夫は交通費や食事代をもらえないので、ときどきお金が足りなくなって仕事に行くことができなくなったりします。ジプニー(フィリピンの乗り合いバス)に乗るお金さえないのです。

私たちは隣の人にお金を払って電気を分けてもらっているのですが、それさえお金が払えなくて止められてしまって、電気がなくてずっと真っ暗で過ごすこともあります。もちろん携帯電話さえ充電できません。電気をくれるお隣さんは厳しい人なので、私たちのこんな苦しい状況をわかってくれないんです。だから私はいつも神に祈ります。「いつか自分たちの電気を引くことができて、お隣からもらわないでもよくなりますように!」って。

家族の誰かが病気になったときもつらいですね。お金がないと病院にも行けませんから、仕方がないので、そういうときはヤミ金(高利でお金を貸して利益を得る人)みたいなところでお金を借りなければなりません。

だけど・・・それよりも何よりも、いちばんつらいのは、私の幼い娘がお腹が空いて「ビスケット買ってくれる?おやつ買ってくれる?」って聞いてくるのに、お金がなくて買えないときですね。そんなことがあると私もかわいそうになって泣いてしまいます。仕方ないので「ごめんね、お金がないの」って説明するんですけど、そんなんとき娘は私たちの言葉で「Sweldo lang Papa Ma buy ta biscuit ug nam-nam」(ママ、お父さんの給料でビスケットとおやつ買ってね~)って言うんですよ!

ああ神様ありがとう!これでどんなつらいことだって乗り越えられます。神様は私たちに、愛らしくて、おしゃべりで、かわいくて、そして賢い子を授けてくれたのですね。みなさん信じられますか? たった一歳の娘が、私たちの状況を理解しているですよ! 私たちの娘は、私たちが試練を乗り越える元気の源です。私たちは娘につらい日々やいろいろある問題のことを説明したことはないつもりです。できるだけ楽しい笑顔を見せているつもりでした。でも彼女は理解しているのです。だから私たちはこうやって毎日起こる問題と戦っていけるのです。彼女は私たちの生きる力と幸せです。

私たちは他の人のようにお金をいっぱい持っているわけじゃありません。日々の生活費にも足りないことが多いんです。でも、こうやって毎日楽しいことがあることにとても感謝しています。私たちには、いつかお金持ちになろうなんて夢もありません。お金なんて大切なことじゃないと思っています。いちばん大切なことは、家族が毎日笑顔で楽しく暮らせること、もちろんそして健康も。私たちはお金という部分では満ち足りていないけど、愛には満ちあふれているんです。だからいつも忘れないで下さいね。

「神様は私たちを強くするために試練や問題を与えてくれます。どんなことが起こってもこのことを思い出しましょう。神様はいつも見ていて下さってるのです。神様は私たちが来て、呼びかけて、祈るのを待っています。私たちは感謝しなければなりません。なぜならすべての起こる出来事には理由があるのです。試練や大問題が起こったとしても、強い心で耐えましょう。神様は見捨てたりしません、いつでもあなたのそばにいます!」